千利休が太閤秀吉の命で自刃してから27年後、愛弟子だった本覺坊は心の師と語らうのみの生活を送っていた。ある日本覺坊は、利休がなぜ秀吉の怒りを買って死んだのか、理由を解明しようと情熱を傾ける織田有楽斎に会って感動を覚えた。そして一年後、本覺坊は有楽斎に、利休の晩年山崎の妙喜庵で催された真夜中の茶会について話した。客は秀吉と、後に小田原落城で秀吉に刃向かって切腹した山上宗二だったが、もう一人がわからなかった。さらに一年後、有楽斎は残る客の一人は利休の弟子の古田織部だと見抜いた。織部も大坂夏の陣で豊臣方に内通したかどで、利休や山上宗二と共に自刃したが、実は三人とも死を誓い合っていた。翌年有楽斎は体が弱り危篤となったが、なお利休の最期の心境を知りたがっていた。本覺坊は夢にみた利休と秀吉の最期の茶事の光景を語り始めた。秀吉は一時の感情で下した利休に対する切腹の命を取り消したが、利休は茶人として守らなければならない砦のために切腹すると言い切った。本覺坊の話が利休の切腹に及ぼうとするところで、有楽斎はもうろうとした意識の中で刃を取って切腹したのだった。
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